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「最近、口を大きく開けると痛い」「あくびをすると顎の奥がズキズキする」


――そんな症状があるとき、原因は親知らずかもしれません。

親知らずは生え方や位置によって、周囲の歯ぐきや顎の筋肉に炎症を起こし、強い痛みや腫れ、

さらには口が開かなくなる「開口障害」を引き起こすことがあります。

今回は、親知らずが原因で起こる顎のトラブルと、その対処法について詳しく解説します。


🦷 親知らずが痛みや腫れを引き起こす理由

親知らずは、上下の奥歯のさらに奥に生える「第3大臼歯」です。


しかし、現代人は顎が小さい傾向にあり、十分なスペースがなく斜めや横向きに生えてくることが多いのが特徴です。

このような「半分だけ生えた親知らず」や「歯ぐきに埋まったままの親知らず」は、歯ブラシが届きにくく、細菌が繁殖しやすい環境を作ってしまいます。

その結果、歯ぐきが炎症を起こす「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」を発症します。
この炎症が悪化すると、周囲の筋肉や顎の関節にまで炎症が広がり、口を開けると痛い・開けにくいといった症状が現れるのです。


「口が開かない」=智歯周囲炎のサインかも?

智歯周囲炎の初期症状は「親知らずのあたりが少し腫れている」「歯ぐきが赤い」といった軽い炎症ですが、放置すると急速に悪化します。

こうした症状がある場合、炎症が深部にまで及んでいる可能性があります。
炎症が広がると顎の筋肉が強張り、「口を指2本分も開けられない」ほどの状態になることもあります。

さらに重症化すると、のどの奥やリンパ節にまで腫れが及び、発熱や倦怠感を伴うこともあるため、
早めの受診が大切です。


🏥 治療法と対処の流れ

痛みや腫れが強い場合は、まず抗生剤や消炎鎮痛剤で炎症を抑える治療を行います。
炎症が落ち着いてから、原因となっている親知らずを抜歯するのが一般的な流れです。

腫れている最中に無理に抜歯をすると、痛みや出血が強くなるおそれがあるため、タイミングを見極めて慎重に行います。
また、親知らずが神経や骨の近くにある場合は、CT撮影を行って位置関係を確認し、安全に処置を進めます。

抜歯後は、当日の安静・冷却、翌日以降の洗口や食事指導をきちんと守ることで、腫れを最小限に抑えられます。


🪥 ご自宅での注意点と予防法

親知らずの炎症は、疲労や睡眠不足、ストレスが引き金になることもあります。免疫力が下がると細菌が増えやすくなるため、体調管理も重要です。

また、普段から以下の点に注意しましょう。

「少し痛いけど我慢できるから」と放置すると、炎症が繰り返し起こり、最終的に顎関節や隣の歯にまで悪影響を及ぼすことがあります。


💡 まとめ

親知らずによる腫れや顎の痛みは、放っておくと口が開かなくなるほど重症化することがあります。
一時的に痛みが治まっても、根本原因である親知らずが残っている限り再発のリスクは高いままです。

違和感や痛みを感じたら、早めに歯科医院を受診しましょう。
当院では、CT撮影による安全な診断と、痛みに配慮した抜歯を行っています。
お気軽にご相談ください!