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- インプラントの基礎知識 -失った歯を取り戻す- - 2025年9月19日
はじめに
歯を失ったとき、入れ歯やブリッジと並んで「インプラント治療」という選択肢があります。
名前は聞いたことがあっても、実際にどんな治療なのか、
痛みや費用はどうなのか、不安に思われる方も多いのではないでしょうか。
今日は、インプラントの基本を分かりやすくご紹介します。

インプラントとは?
インプラントとは、失った歯の部分に人工の歯根(チタン製のスクリュー)を埋め込み、
その上に人工の歯(かぶせ物)を装着する治療法です。
天然の歯と同じように「骨にしっかり固定される」ため、咬む力や見た目の自然さが大きな特徴です。

他の治療法との違い
- 入れ歯
取り外し式で比較的短期間で作製できますが、咬みにくさや違和感を感じやすいことがあります。

- ブリッジ
両隣の歯を削って橋をかける方法です。固定式で安定はしますが、健康な歯を削る必要がある点がデメリットです。

インプラントのメリット
- 自然な見た目で、笑顔に自信が持てる
- 固定式なので、入れ歯のような取り外しが不要
- 自分の歯に近い咬む力が戻る
- 健康な歯を削らずに治療できる
インプラントの注意点
もちろん万能ではありません。
- 手術が必要になる
- 治療期間が数か月かかる
- 定期的なメンテナンスが必須
- 保険適用外(自由診療)のため、費用が高額になる
これらを理解したうえで、自分に合った治療かどうかを歯科医師とよく相談することが大切です。

インプラント治療の流れ
① カウンセリング・検査
まずはレントゲンやCTで骨や歯ぐきの状態を確認し、治療が可能かを診断します。
全身の健康状態も含めてしっかり確認するので安心です。
② 治療計画のご説明
検査結果をもとに、インプラントの本数や方法、期間や費用についてご説明します。
③ インプラント埋入手術(一次手術)
あごの骨にチタン製の人工歯根を埋め込みます。
手術は局所麻酔で行います。そのため、痛みはほとんど感じません。
④ 治癒期間(オッセオインテグレーション)
インプラントと骨がしっかり結合するまで、数か月の治癒期間を設けます。
⑤ 二次手術(ヒーリングアバットメント装着)
骨とインプラントが結合したあと、歯ぐきを小さく開き、土台(アバットメント)を装着します。
この段階で歯ぐきの形を整えるため、自然な見た目に仕上がりやすくなります。
⑥ 上部構造(かぶせ物)の装着
歯ぐきが安定した後、人工の歯を装着します。
色や形は周りの歯と合わせて自然に仕上げます。
⑦ メンテナンス
インプラントを長持ちさせるためには、定期的な検診とクリーニングが欠かせません。
治療期間の目安
インプラント治療は、全体でおおよそ6か月〜1年ほどかかるのが一般的です。
骨の状態や治癒のスピード、骨造成の有無によって前後することがあります。
短期間で終わるケースもあれば、しっかりと時間をかけることでより確実に治療できる場合もあります。
インプラントで骨が足りない場合は?
選択肢1. 骨が足りない場合は骨を造る(骨造成治療)
場合によっては、あごの骨の量が不足していることがあります。
そのままではインプラントを支えられないため、
骨を補う処置(GBRやサイナスリフトなど)を行うことがあります。
〇GBR(骨誘導再生療法)

〇サイナスリフト

骨造成が必要になりやすい方の特徴としては、
- 歯周病で骨が痩せてしまった方
- 歯を失ってから長い期間が経過している方
- 上顎の奥歯(骨が薄くなりやすい部位)にインプラントを検討されている方
などが挙げられます。
ただし、骨造成が必要かどうかは人によって違うため、検査を受けて初めて分かります。
詳しい診断を受けることで、ご自身に合った治療計画を立てることができます。

選択肢2. オールオン4やザイゴマインプラント
顎の骨が大幅に不足している場合は、オールオン4やザイゴマインプラントといった選択肢があります。
まとめ
インプラントは「失った歯をしっかり取り戻せる」治療法です。
ただし、すべての方に適応できるわけではなく、全身の健康状態や骨の状態によっても違いがあります。
まずは検診でお口の状態を確認し、治療の選択肢のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか。